許容範囲外です。

誰がそんなにベタベタしていいって言った?



人のモノに手を出すなんて、砂村の癖に良い度胸してる。その度胸だけは表彰ものだが、その他は軽く殺意が芽生えるほど腹が立つ。とりあえず離れろ、と何度思ったことか。



「砂村くんって犬みたいだよね」
「は?さん何言っ、て…」
「あはは!砂村くん可愛い!」
「俺なんかが可愛い訳がないだろ!」
「何かね、仕草が本当に犬みたい」
「……勘弁してくれよ、」



先ほどから繰り返されている二人のやり取りに、腹が立たない訳がない。表面上は何ともないような感じを装ってはいるが、内心は“嫉妬”という黒いものがぐちゃぐちゃに混ざり合っている。自分の中にまだこのような感情があったなんて。そう思ったのと同時にため息が零れた。



「……
「あ、成嶋さん!」
「ちょっと来て」
「え、ええええ?」
「いいから早く」
「す、砂村くんあとでね!」
「ああ、さん気をつけて」



何が“気をつけて”だ。とりあえず砂村は後でみっちりコキ使ってやることにしよう。残る問題は未だに何も理解できていないこの彼女。さっきから強制連行だの拉致だの何か言っているような気がするが、この際は無視だ。なんたって彼女が悪い。をずるずると引きずり、丁度良い場所にあった空き部屋に押し込む。もちろん施錠は忘れずに行う(イイときに邪魔されたらたまったもんじゃない)。



「随分砂村と仲が良いんだな」
「そ、そんなことは…」
「ないとは言えないだろ」
「………。」



普段よりワントーン下げた俺の声に(もちろん、これはワザと)、不安を抱いたのか「ご、ごめんなさい…」と小さな声でつぶやく。その表情は今にも泣き出しそうだ。そこに更に追い討ちをかけるかのように「それは何に対しての謝罪?」と問えば、は俯き黙り込んでしまった。これは少し苛めすぎたかと思う反面、のこのような反応を見るのが楽しくてしょうがない。


―――もう少し、苛めてもいいよな、


そう思いついた瞬間、もう止まらなくなっていた。それから唇が触れるか触れないかのギリギリのところまで顔を思い切り近づけた。すると恥ずかしさからなのか、顔を背けようとする。そうはさせまいと、顎を掴み半ば固定した形でじっとを見つめる。顔を固定され、どうにも出来ないの顔は林檎のように真っ赤で、瞳には涙が沢山溜まっている。その表情が自分の中にある加虐心をむくむくと育てていることに彼女は気づいているのだろうか。



「とりあえず、」
「…え?」
「おしおき、だな」



そう言い放った瞬間、絶望的な表情をした彼女。その表情が見たかったと言えば、彼女はどんな反応をするのだろう。想像しただけで支配欲が一気に満たされた気分になった。



「たくさん “ないて” もらうとするか」



とりあえず砂村、ドアの向こうにいるのは分かってる。それと、コイツだけは渡さないからあしからず。




直ちにお引取り願います

見せつけにキスでもしてやろうか。






(title.Lilly@100404)(原作+ドSな感じで。“なく”の漢字変換は皆さまにお任せいたします。